Day 362:ベルリンの不法占拠と当事者意識

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 ベルリン4日目。タクシーの乗ったら運転手のにいちゃんが「デモで道が混んでる」という。「ベルリンの人はみんな日常的に何かに対して抗議してるんだよ、ほら、あそこにネオナチが」。彼の言う方向を見るとバナーを掲げた男5人に警官が3人。平和だ。

今日はかつてスクワッター(不法占拠する人たち)が住んでいたけれど、今はコミュニティのために使われている、という場所をいくつか案内してもらった。スクワット・ムーブメントといえば、ニューヨークとベルリンである。違いは、ニューヨークではこういう歴史が消しゴムで消されたみたいに消えてしまっていることだ。ベルリンではずいぶん減ったとはいえ、まだ起きている。ジェントリフィケーションへの抗議運動として、アクティビストたちが不法占拠 に出て、警察と衝突した、という事件はそんなに昔の話ではない。

自分のものでない場所に居座るなんてと眉をひそめる人もいるだろう。 が、彼らが抗議しているのは、家賃の高騰で自分たちの街が住みづらくなっていくことだ。そして彼らの運動が、貧しい住民の保護や権利拡大につながって行くし、行政や企業との交渉によって文化的スペースの確保にもつながっている。そこには揺るぎない当事者意識がある。ニューヨークに長年住んでいて、20年もジェントリフィケーションを経験していると、いつしか諦めを覚えるし、しょうがないと思ってしまう。ベルリンの精神に大切なことを教わった。

備忘録:ベルリンのスクワット住宅の不透明な未来(CityLab) 

Yumiko Sakuma