Day 328:犯罪追跡アプリとスマホ時代の自警

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メモリアル・デーは普通に仕事をする予定だったけれど、急にBBQのお誘いをいただいて、仕事を切り上げて夕方にでかけた。顔を見るのもしばらくぶりな友達のグループ。男の子の一人が、これ知ってるか、とCitizenというアプリの存在を教えてくれた。GPSベースで、ニューヨークで起きている犯罪の情報を公共のソースから引張り、自分の居場所に近い犯罪のアラートが出るアプリである。早速ダウンロードして見てみると、バーで喧嘩が始まった、女性が刺された、暴れている人がいると、さすがニューヨーク、騒々しいこと極まりない。警察が呼ばれる類の情報はすべて引っ張るので、ラクーンが発見されたとか、フードコートにファルコンがいるとか、意外なものもけっこうある。そしてその現場でユーザーがアップしたビデオを見ることができるようになっていて、NYPDの警官たちがファルコンを前に呆然としている映像が見られた。試しにうちの近所はどうなっているかと見てみると、子供の足が椅子から抜けなくなったとか、いたって平和であった。

調べてみると、このアプリ、しばらく前にVigilante(自警団)という名でデビューしたけれど、すぐにアプリストアから削除された。去年再ローンチしたCitizenというバージョンは、犯罪を見たとしても、介入してはいけませんよと警告がついている。その場にいたもうひとりの男の子が、「俺も一度はダウンロードしたけれど、事件の多さに暗い気持ちになって削除した」と言っている。確かに、これだけ暴力犯罪が近くに存在していて、そのアラートがしょっちゅうなったら暗い気持ちになるかもしれない。問題はアプリの存在意義だ。この情報をどう活かせば良いのかがよくわからない。とはいえ、すっかり平和になった気がしていたニューヨークは、やっぱりニューヨークなのだ、と背筋を正す効果はあった気がする。

コミュニティの人口が、コミュニティで起きている犯罪を監視する、という自警のコンセプトは、よくよく考えてみると、このアプリの存在をなしにしても、スマホ時代になってからはいろんな形で実現している。特に最近よくある、警官が丸腰の市民(特に黒人)に暴行を加えているビデオや、マイノリティに人種差別的な言葉を投げつける人たちの映像が拡散されるという事象も、自警の一種かもしれない。

備忘録:勇気なのか危険行為なのかー人気の犯罪追跡アプリ、市民を危険にさらす可能性(CBS News)

Yumiko Sakuma