Day 325:ワインスタイン逮捕とYouToo

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山の楽しみのひとつは、近所のファームストアに行き、焼き立てのドーナッツを食べることである。ドーナッツをかじり、コーヒーを飲みながら、ニュースをチェックすると、ハーヴェイ・ワインスタインが自首する様子がライブで放映されている。半年ほど前までは、世界で一番パワフルな映画プロデューサーとして君臨していた人がついに逮捕された。すごいことである。

ワインスタインから暴行を受けたことを告白し、NYPDに勧められて刑事告訴した女性についての記事を読んでいたら、その下に、最近辞任したニューヨーク州のエリック・シュナイダーマン司法長官に暴行された女性たちについての記事がでてきた。シュナイダーマンの暴行疑惑については、片目でヘッドラインを見たまま、ちゃんと追っていなかったのだが、この記事を読んでぞぞぞっとなった。

シュナイダーマンという人は、リベラルの騎手だった。#metooの推進派でもあり、公には女性の権利を保護する正義の味方と思われてきたのである。その彼が、複数の付き合っていた女性に暴力を振るい、公表するなよと脅したりしていた。被害者たちは一様にしてリベラルのインテリである。それでも被害を自分のまわりの限られた人たちだけに打ち明け、公に告発することもなかった。(余談だが、この記事は、ニューヨーカーが彼女たちの談話の裏とりを、ひとつひとつ丁寧にしている様子も描かれている)。「正義の味方」の闇、マインドコントロールの恐ろしさや、政治的に正しい人たちの罪を看過する人間心理、とぞっとする点満載である。

#MeTooについては、公に語られず、ひそひそと囁かれていることも多い。今のところまだ名前はあがっていないけれど、セクハラ、パワハラで有名な人たちがいる。実際、ファッション業界に#metooが飛び火したとき、モデルたちに評判の悪いセクハラ・プロフェッショナル・リストがメッセで回ってきたことがあった。送ってきたのは、目撃したことはないけれど、モデルをペタペタと触ることで有名なフォトグラファーだった。友達との会話で、こういったことが話題になったこともある。「YouToo(おまえこそ)って言ってやりたいよね」と。いつか日記に書こうと思っていたことであるが、恐ろしく極端な形で具現化した。

こういうパワフルな男たちの偽善は「Power Paradox」として説明されているらしい。私たちは法の施行のトップにいる人たちが、社会のモラルを代表できる存在だと信じている。が、パワフルな人こそ、不道徳を働き、他者の不道徳を追求することで自分を許す、という症状だそうだ。おお怖い。ますます、市民の監視の必要性が高まるのです。

備忘録:エリック・シュナイダーマンのようなパワフルな男たちは偽善を示す、そしてこれは彼だけでは終わらない(USA Today)

 

Yumiko Sakuma