Day 322:マリファナは安全か

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ブックコーディネーターの内沼晋太郎さんの誘いで渋谷のラジオの番組に出演し、母、妹とランチを食べて、羽田からLAXに向かった。大切なガールフレンドのひとりであるれいかちゃんが、LAで開ける<Chateau Hanare>の初めての客として、ディナーに招待されていた。れいかちゃんは、いつもあっぱれだと思いながら見ている女友達の一人だけれど、それにしてもLAでレストランを、しかもシャトー・マーモントの敷地に開けるなんてさらにあっぱれである。

ところで今年の頭に、カリフォルニアでマリファナが全面的解禁されてから、ロサンゼルスを訪れるのは2度めである。解禁直後に、娯楽用マリファナの販売を開始したディスペンサリーの前にできた長い列も落ち着き、マリファナを堂々と買ったり吸ったりできる、という状況に、人々はすっかり慣れているようである。ディナーで一緒になった知人が、今行われている写真のショーについて教えてくれた。メル・フランクの「When we were criminals(僕らが犯罪者だった頃)」だ。70年代からマリファナを栽培してきた写真家が、30年以上にわたって撮りだめた作品の展示である。かつては違法行為だったマリファナの栽培・所持・吸引が、今では立派なビジネスになっているが、かつての歴史を振り返るのもまたおもしろい。

アメリカでは、マリファナが30年代に、禁酒法の廃止とともに、違法物質に指定された。地面から生えるマリファナを違法化することには当時から賛否両論あったけれど、禁酒法の取締官だったハリー・アンスリンガーが、部下の捜査員たちの雇用を救うために、マリファナをターゲットにしたロビー活動を行ったのが功を奏した。メキシコを忌み嫌った当時の新聞王ロバート・ハーストや、ナイロンをヘンプで作られる麻に変わる素材として売り出していたデュポン社がこれに協力して、世論は反マリファナに導かれた。そしてアメリカは、国際世論も主導して、マリファナは過半数の国で取締の対象になった。60年代後半から、マリファナ解放運動がはじまり、徐々に医療効果についての理解が進み、今では過半数以上の州がなんらかの形で、マリファナの合法化を実現している。こういったことについては、今本を書いているけれど、つまるところ、マリファナやアルコールやタバコと同じ扱いになりつつある。つまり、まったくいいことばかりではないけれど、成人の利用は、個人の責任で嗜むものとして扱っていこう、ということである。

日本でマリファナが違法になったのも、アメリカさんがそう指示したからなのだけれど、日本では相変わらずで、最近もマリファナに対する締め付けはむしろ厳しくなっているような気がする。日本は日本で独自の路線を歩めばいいのだが、この何十年かの歴史のなかで、国際的な学術界が研究し、発表してきたことを無視し、ただお上のいうことを鵜呑みにするのもどうかと思う。最近、逮捕された同世代のMCについての朝日新聞デジタルの記事のなかに、最近アメリカで人気急上昇の大麻ワックスについての記述に続き、「同部(関東信越厚生局麻薬取締部)は、14年ごろから危険ドラッグ対策が本格化した反動で薬物乱用者の大麻への回帰が進んだとみられることや、米国の一部の州で大麻が合法化されるなどしたことからインターネット上を中心に『大麻は安全』との誤った情報が出回っていることなどが背景にあるとみている」というのを読んで、当局の主張である「謝った情報」をそっくりそのまま書いているのであろうとイラッとした。「大麻が安全」が間違っているという情報が間違っているとすると、その反対の「大麻は危険」が正しいことになる。が、マリファナがアルコールやタバコ以上の害がないことについては、すでにコンセンサスが形成されている。もちろん成長しきっていない子供にとっては安全ではないだろうし、タバコと同じように「吸う」ことによる害はあるだろう。だからこそ、アルコールやタバコと同じように扱うべきだということになっているのである。

備忘録:退役軍人の草の根運動、マリファナの健康効果をシェア(CNN)

 

Yumiko Sakuma