Day 246:一夫多妻宗教と現代の一夫多妻

IMG_1969.JPG

またもやびっくりするような吹雪がやってきたところに、シャロンからメッセージがきた。「雪のせいで撮影が中止になったんだけど、ランチしない?」。するする!会いたい、会いたいと思っていた人である。

シャロンは、私が2015年に翻訳した「テロリストの息子」の著者ザック・エブラヒムのビジネス・パートナーである。東京でイベントをやったときにザックと会ったときには、すぐに素敵な人だ、とわかりながら話すチャンスはとても少なくて残念に思っていたが、Facebookでお互いのポストを見たり、ときどきメッセージをやりとりするうちに、すっかり気心知れた女友達のような気持ちになっていた。聡明で、ブレない軸があって、情熱的なのだ。

ザックの父親は1993年に起きた最初の世界貿易センタービル爆破事件の責任者として服役しているテロリストで、その経験を書いた本が「テロリストの息子」である。そしてザックとシャロンはも、難民の子供たちやいじめに関する運動をしている。

ザックとシャノンが滞在しているダウンタウン・ブルックリンのGansoでラーメンを食べた。そしてあるプロジェクトで最近FLDS教会の取材に行ったという話をしてくれた。FLDSはモルモン教の急進派で、コロラドとユタの州境付近の地域で暮らしている。一夫多妻制(ポリガミー)をいまだに実践していて、長いことほぼ治外法権のような形で運営されていたのだが、2006年にリーダーのウォーレン・ジェフが未成年虐待で逮捕されたときには大ニュースになった。が、リーダーが逮捕されてシステムも崩壊したかというとそうではなく、その街では今も普通に外界を遮断して、一夫多妻制が営まれている。

という話にがーんと暗くなったところで、ちょっと軽い話題をと、「ところでニューヨークには、ethical non-monogamistと名乗る人たちがいるんですよ」と言ってみた。倫理的に、モノガミスト(一夫一婦主義)ではない恋愛をしている人たちのことである。「モノガミストでない」にはバリエーションがいろいろある。一人の人と「オープン・リレーションシップ」(お互い他の人と関係を持ってもいい)をやりつつ、他でチョロチョロするというパターンもあるし、単なる複数主義もある。倫理的に、というところが笑ってしまうが、まあ相手に自分が複数主義であることを開示するとか、そういうことである。自分も偶発的にそのような形になっているが、正直に実践することはなかなかに難しい。

今もアメリカのどこかで、宗教的・強制的な一夫多妻制が横行していて、未成年の女児たちが、父親のような年の男と結婚させられ、どんどん子供を産ませられている。そしてそのスペクトラムの反対には、自由に、そして倫理的に複数主義を実践し(ようとし)ている人たちがいる。アメリカは広い。

備忘録:ジャークにならずに非一夫一婦主義を実践するためには(Esquire)

Yumiko Sakuma