Day 242:停電中の山で

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金曜日の夜から弟分ジョニーと2泊で山に行く予定にしていた。たまる仕事をやっつけるためでなく、本当にリラックスするための週末。最近、信奉しているバイブル「大事なことに集中する」でも、デジタル・デトックスの重要性を説いていたしね。ところがノーイースタンがやってきて雨風がものすごい。ジュディに「ディナーのあと、ジョニーと山に行く予定なんだけど」と言ったら大声で反対された。山の大家さんであるおねえちゃんにテキストで聞くと、「クレイジー!」と返事が返ってきた。「ふーむ」と返事をすると「どうしても行くなら裏道から行きなさい」とありがたいお言葉。「よし行こう、途中やばかったら引き返せばいい」と荷物を積んで夕飯を食べ、そのまま山に行った。

途中、近所のガスステーションを訪れると、街頭がチカチカしている。「今夜は落ちるかもね」とレジの女性が言う。もしや、と思ったら、案の定、家の電気も落ちていた。ここ何年か冬はニューヨークを離れていたし、今年の冬はマイルドだったので、こういうことが起きる可能性をすっかり忘れていた。が、ヒーター用と料理用のガスがある。水もある。アルコールも、充電済みのスピーカーもある。なんとかなるだろ、とステイすることにした。電話もつながらない、インターネットもない週末。本を読んだり、ストレッチしたり。なかったらなんとかなるもんだ。2泊、十分楽しんだ。電話を見ない幸せ。

林のなかは、近隣の家が使う緊急用ジェネレーターの唸り声が響いている。折れた木のせいで通行止めになっている場所がある。回り道して近所のファームストアに行ったら、食材は十分にあった。いつものドーナッツも普通に焼かれていた。ろうそくを買いに一番近くの街に出かけたら、信号が落ちてちょっとした混乱が起きている。譲り合っている車の列を無視してスピードを出すジャックアスがいる。最初に訪れたスーパーで、店員に教えてもらった場所にろうそくを発見すると、全部に「シナモン」とか「レモン」とかの匂いがついている。うへ、と思ったところでジョニーが「匂いつきろうそくって有害物質が大量に入ってるんだぜ」という。緊急事態用のシンプルで、匂いのついていない、普通のろうそくはないものか。そのあと、ハードウェアストア、ドラッグストア2軒のあと、最後の頼みだったスーパーについにあった。原始的なろうそく。このあたりの人たちは、自然にとても近くに暮らしている。けれどスーパーには、匂いのついた有害物質を空気中に吐き出すろうそくしかないのだ。アメリカの悲しいのはこういうところだ。

6時半には暗くなってしまう山の家で、諦めなかったら見つかったキャンドルの灯のなかで夕食を作った。食事のあとはウィスキーを飲みながら、スピーカーで音楽をかけて暗闇のなかで踊った。貯めてあった水や電気を大切に使った。いつもあるリソースが当たり前にあるのではないことを教えられた土曜日だった。

備忘録:企業がフレグランスの裏を白状している、それで十分なのか(Mother Nature Network)

Yumiko Sakuma