Day 269:タイの欲望観光

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日中は一人で街をうろつき、夜になると男友達がやってきて連れ回してくれる、という日々が続いている。そしてアートショーに行く、路地裏で生バンドを見る、高層ビルの屋上のクラブで呑むなどといった夜のプランの合間に「観光客っぽいことをする」も入っていて、ゴーゴーバーやカオサンロードにも連れて行かれた。

女として、そういうところに行くのは複雑な気持ちである。どういう顔をしていいのかわからない。かといってそういう場所から目をそむけるのも違う気がする。「you HAVE to see every aspect of Bangkok」という男友達の言葉に、よし、わかった、君にまかせるよ、と黙ってついていくことにしたのであった。

ストリップバーについた瞬間、「見られる」ために踊っている女の子たちを直視できずに、男たちを観察した。おそろいのTシャツを着た白人のグループがいて、日本のサラリーマン風グループがいて、中国人らしきグループがいる。私の隣にいた白人の熟年男性が、ダンサーに無理やりキスしている。ダンサーにキスするとかありなんか。ニューヨークでは絶対ダメなやつだぞ、と心のなかで悪態をつく。こういうキモいおっさんの財布が、彼女たちの生計の足しになっているのだなあ。よし、貢献するか、と覚悟を決めて、必要以上に呑んでへべれけで帰途についた。ストリップバーで、ドラえもんや「君の名は」の話をするというシュールな夜であった。

それにしてもこの感じすごい。敬虔な仏教信仰と王族への忠誠心、あからさまな欲望と路地裏の資本主義、厳しいけれど汚れた権力が混沌と入り混じっている。こんな極端なコントラストを間のあたりにした経験、今まであっただろうかと、これまで訪れた場所を反芻したけれど、ここまでの場所はなかった気がする。

帰りのタクシーで、熟年の運転手が女性とフェイスタイムしていた。つい「奥さん?」と聞くと、男友達が呆れ果てた顔で私を見た。「ばかだなあ、奥さんなわけないだろう」。爆。

備忘録:さよならゴーゴーバー、タイ政府がセックス観光廃止へ(Sputnik News)

Yumiko Sakuma