Day 267:アジアに戻る移民の子供たち

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朝方バンコクに到着した。1ヶ月ほど前だっただろうか。バンコクに仕事で長期滞在しているニューヨークの男友達から「おもしろいことがたくさん起きてるから見にきたほうがいいよ」と言われたのをきっかけに考え始め、スケジュールが開いたのに乗じてやってきたのだった。東京は大好きだけれど、朝から晩までバタバタしてしまうので、ゆっくり何かを書いたりすることができない。一人の旅を欲していたということもある。

一人の旅が好きなのに、寂しがり屋というややこしい性格をしているので、旅先に友達がいる、というのがベストなのである。到着したときはゾンビ状態だったけれど、部屋数の少ない小さなホテルの部屋でゴロゴロするうちに元気がでてきて、さくさく仕事をした。夕方、友達が迎えにきてくれて、バーをいくつかまわり、ヒップなバーでタイのローカルバンドの演奏を見て、最後は複数の友達にいっぺんに紹介された、NY出身だけどタイで有名になったMCのスタジオを訪れて、新しい音源を聞かせてもらうという、なんとも楽しい夜になった。

最初の夜のガイドをしてくれた男の子たちはみんなアメリカ育ちのアジア系、親が移民で子供にアメリカン・ドリームを与えるために、アメリカに移り、「学歴をつけて安定した仕事をしろ」と言われ続けたけれど、結局そういう人生は送れなくてクリエーターになった、というタイプである。最初は大反対されたけれど、出世してわかってもらえるようになった。親たちが嫌ってでていったアジアで活動している、というところが皮肉だけれど、親たちの言っていた「セキュリティ(安定)」はアメリカではほぼ存在しないに等しいし、アメリカではもうクオリティ・オブ・ライフを確保することができないのだ。そしてこういう子たちが、地元のコミュニティとつながっておもしろいことをやっているから勢いがある。みんなが「バンコクって、昔のブルックリンに似てるだろう?」と口をそろえて言うのはそういうことだ。

備忘録:綻びつつあるアジア人のアメリカン・ドリーム(The Sacramento Bee)

Yumiko Sakuma