Day 258:日本を伝えるボキャブラリー

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歯医者に行き、取材を受けて、そして今回楽しみにしていたイベントのひとつmame kurogouchiの初のランウェイショーに出かけた。mameと知り合って、服を初めて見てから、5年くらい経っただろうか。その長いようで短い時間のなかに、mameの世界はどんどんパワーアップしながら、でもそこにはブレない明確な基軸がある。頼もしいことです。感慨深い夜だったよ。

自分はキャリアのほとんどを、アメリカで起きているカルチャーを日本に伝える、という仕事に費やしてきた。4,5年前から「もっと日本を世界に伝える仕事をしたい」と思い、アメリカの会社やメディアに、日本のブランドやカルチャーを紹介する活動をするようになってきた。そういうことをやっていてときどき感じるのは、「今の日本」を伝えるためのボキャブラリーの貧困さだ。一般的にも、自分自身も。ファッションから食まで、欧米の進んでいる人たちの日本IQは相当高くなってきた。特にメディアの現場にいるような人たちは勉強熱心だし、知識も広い。それでもどうしても、厄介なエキゾチズムやステレオタイプへの期待のようなものが邪魔をして、なんか陳腐でイージーな解釈に落とし込まれてしまうことがあるのだ。なんでも古典芸能的なものに結び付けようとしたりとか。オーセンティックとか、クラフトマンシップ、ワビサビといったボキャブラリーが当たり前になりすぎてこういう言葉では何も伝わらなくなった今、今の日本を伝えるためのもう少し繊細なボキャブラリーを開発しなければな、と思っている。そして、エキゾチズムを超えた、ユニバーサルな視点で、日本文化を論評したものを読むと、ああわかってくれている人もいるのだなと胸をなでおろすのであった。

備忘録:日本のデザイナー黒河内真衣子、mameをパリに(The Last Magazine)

告知:取材いただきました。「ニューヨークで、自分と折り合いをつけるということ」(Asahi.com)

Yumiko Sakuma