Day 252:トランプ時代のSXSW

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私のSXSW2018年の最終日、仕事の合間を塗って、友達のTAOちゃんが出ている映画「Perfect」を見に行った。監督 Eddie Alcazar、プロデュース Steven Soderbergh、音楽 Flying Lotus。肉体を改造する少年が主役のSFスリラーで、視覚的にもストーリーもサイケでトリッピーで、私が好きなタイプの映画だった。途中、Peelander ZのYellowと会ったり、ブースやレクチャーを見たりしつつ、夜は、SXSWの音楽部門の幕開けということで、なんとか3バンドを見て、深夜に部屋に返った。

すでに始まっていたインタラクティブ部門は企業色も強いし、SXSWの規模がいかに急成長し、変わってしまったかを実感していたのと、ここに来る前に会ったニューヨークのミュージシャンの友達が「SXSWはたくさんショーをやらないといけないうえに、ギャラも安いのでもういかない」と言っていたこともあって、それほど期待しないで出かけたのだが、Shamir Nnmadi Ogbonnayaというオリジナリティも迫力もばっちりのパフォーマンスを見て大満足だった。

そういえば昼間、Yellowが「今、SXSWは海外からのバンドも、正式にビザを取らないと演奏できないルールになったから、大変だ」と教えてくれた。かつて、緩かった時代には、いろんな国からミュージシャンやバンドが観光ビザで入国し、演奏するということが許されていた。というか、 バレる可能性はあまりなかったし、真剣に取り締まっているようにも見えなかった。が、最近ではずいぶん厳しくなった。反移民のスタンスを掲げて当選した人が権力の座に座っているうえに、ソーシャルがあるからすぐにバレてしまう。演奏してお金をもらうのだから、ビザを取って当然と思う人もいるだろうけれど、そんなに簡単ではないし、お金もかかる。早速調べてみると、去年、SXSW主催者が出演者に渡した契約書に、(サプライズギグを防止するために)「主催者の不利になるようなことをした場合」の措置として、「プログラムからの排除」「宿泊場所のキャンセル」とともに「観光ビザで入っていたらそれを移民局に通報する」という項目が入っていて、Told Slant が抗議のために出演をキャンセルするとという事件が起きていた。Told Slantがそれをツイートして、拡散したために、ちょっとした騒ぎになった。あーあとも思うけれど、主催者側も当局対策としてこういうことをせざるを得なくなっているのだろうと想像がつく。こういうこともじわじわと文化に影響を及ぼしていくのだろう。

備忘録:SXSW、アーティストとの契約から「国外追放」項目を除外(Independent)

トランプ時代の国際アートと不安:SXSWのストーリー(myStatesman)

 

Yumiko Sakuma