Day 188:空海と日本文化

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芦ノ湖をあとに、湯河原でムラカミカイエの仕事を見学し、夜は、蜷川実花さんが誘ってくれて、高野山別格本山 三宝院副住職である飛鷹全法さんの話を聞きに行った。密教についてのレクチャーということで、事前にwikiを読んで、自分に理解できるだろうかとドギマギしながら参加したのだが、空海がどういう人だったのか、という内容で、とてもおもしろいレクチャーだった。

空海については、昔、学校で習ったきりすっかり忘れてしまっていたのだが、土木技術や薬学、詩学にも精通したルネッサンスマンだったという。唐時代の中国に渡り、船で帰国する際に暴風雨に遭い、神道の神様に「無事に戻れたら高野山を開きます」とお願いをして、無事に帰国できたために、その約束どおり、高野山を開いた、というストーリーである。神道をリスペクトしながら、自分の密教の信仰を追求した空海のストーリーをベースに、日本には「異質なものを共存させる」能力に長けている、という飛鷹さんの持論には説得力があった。神道と仏教が共存している(神仏習合)という、西洋の一神教文化から見るとわかりづらい状況も、こういうところから生まれているのですね。もう一回改めて勉強しよう、と、まずは入門編として司馬遼太郎さんの本をポチりました。

空海はたくさんの情報を自分にインプットし、その後、情報を遮断して、集中的に瞑想するという方法論で次のステージを目指したのだという。いつも大量の情報にさらされている自分も、ときどき情報を遮断する必要性を感じる今日この頃である。去年の前半は、毎日瞑想していたりもしたが、いつしか忙しさにかまけてやめてしまった。やっぱりもう一度瞑想をがんばってみよう、そう考えながら、素敵な夜をあとにした。

アメリカでも、特に西海岸を中心に、仏教はつねにある程度の支持を集めているけれど、これまでは禅宗が中心だった。が、今、密教が注目されつつあるという。2月に日本でも公開される映画『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』が、「'Legend of the Demon Cat' ('Y」というタイトルで公開を控えて、レビューが少しずつアップされている。楽しみです。

備忘録:仏教の寓話が危機において辛さを軽減してくれる(Big Think)

 

Yumiko Sakuma