Day 198:ハリウッドの賃金格差問題

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太陽が燦燦と降り注ぐLAをあとにニューヨーク便に乗り込んだ。LAからNYに戻るのにはほぼ1日かかる。機内で遅ればせながら「Battle Of Sexes」を見た。題材は1973年(私が生まれた年)に行われた、テニスの男女対決の試合である。時代背景などについては、町山智浩さんの解説がとてもわかりやすいのだが、この当時の女性たちが「女の居場所は寝室とキッチン」などと言われる様子が描かれている。

オープニングのシーンで、主役のビリー・ジーン・キングが、女子プレイヤーの賞金が男子プレイヤーの賞金の81/8であることに抗議するシーンがある。「男のプレイヤーのほうがベターだ」と言われて、「でもチケットの価格は同じですよね?」と反論する。自分のキャリアを振り返ると、女性だから男性よりも給料が低い、という状況に置かれたことはなかったと思う。今も、ギャラはだいたいの場合規定で決められていて、そういう意味の不条理を体験したことはないと思う。が、こういう映画を見ると、「自分が受けてきた恩恵は、先人の女性たちが闘ってくれたからだ」という事実を改めて思い知る。

そして、想像以上に、世の中ではまだ男女賃金格差が横行しているらしい。それもけっこうショッキングな規模の。中でもひどいのがハリウッドである。何度も指摘されたり、ニュースになったりしてきた話題であるが、これまで以上に注目を浴びる事件が起きた。ケヴィン・スペーシーがセクハラ問題で、放送できない俳優になってしまったことで、リドリー・スコット監督の「All the Money in the World」という作品を急遽、再撮することになった。主役のマーク・ウォルバーグは、再撮のギャラのうちの150万ドルをTime's Up(#metoo運動の結果、ハリウッド周辺の女性たち有志が設立した団体)の基金に寄付をしたという。が、その問題が報じられる過程でわかったことには、同じ再撮影で、ウォルバーグのギャラは500万ドル、ほぼ同等の時間画面に登場するミシェル・ウィリアムズのギャラは、68万5000だったという。ひえー。1973年のテニス試合出演料の大女格差と、この問題、まだまだ尾を引きそうな気配です。

備忘録:Time's Upがいかにハリウッドの賃金格差を埋める一助となりうるか(Forbes)

Yumiko Sakuma