Day 95:フェートンで話したこと

前日も朝方まで呑んでしまい、眠い目をこすりながら加賀市に向かった。小松空港の近くに、私がひそかに「日本で一番かっこいい店」なのではないかと思っているフェートンというショップがあって、そこで行われるフリマ+トークイベントに呼んでいただいていたのである。そもそもフリマに参加するのなんて学生時代以来。他のブースの人たちと1日を共有することでどんどん仲良くなっていく感じが懐かしくもあり、楽しくもあって、朝起きたときの「1日持つだろうか」という心配はまったく杞憂で、1日があっという間に終わってしまった。

トークの相手は、メイクアップ・アーティストの早坂香須子さんである。共通の友達がたくさんいるのに、これまですれ違いばかりで会うチャンスがなかった。そもそも彼女とトークをすることになったのは、Old Joeのデザイナーの高木くんが「メイクしない人と、メイクの人がトークするとかおもしろくないですか?」と言い出したからなのだが、「私はいいけど、早坂さんはそれでいいの?」と聞いた気がする。実現することが決まってからも「何話せばいいんだろう」と若干心配してたのだが、美しさってなんだろう、シングルであること、仕事以外に趣味がないけどいいんだろうか?と、話題は尽きなくて、あっという間に終わってしまった。

フェートンのオーナーである坂矢さん主催の打ち上げのあと、なんだか楽しい気持ちを終えたくなくて、付き合ってくれそうな人をつかまえてホテルで飲み直した。飲みの席でよくあがりがちな「女の友情」が話題になり、ゴールデン・ブラウンのかっこいいオーナー(と書けと言われた)のぶさんが「友達の彼氏を好きになったら、男をとるだろう?」というので、中指を立てつつ、全力で否定した。友人キャロラインの言葉を借りれば、男はバスみたいなもんで、ひとり去っても、またそのうちやってくる。女友達はそうはいかないのだ。すると、のぶさんがおもしろいことを言った。「男も(女たちに)シェアしてほしいよね。シャリングエコノミーの時代だし」。

女性は、男性を他の女性とシェアするのに抵抗を感じるかもしれないけれど、私も、ここ最近、ときどき書いているように「そもそも一夫一婦制は正しいのか」と疑問に思っている。まわりを見回せば、他でちょろちょろする既婚者多いこと。生物学的にも、一夫一婦制を疑問視する議論はあるし、だいたい、権力争いに勝ってきた国たちのの都合で、夫婦は一対一、と決められたわけである。そこから、「いろんなことにガタがきていて、前提条件を考え直さなきゃいけない時期なのかもね」という話になった。一夫一婦制から民主主義まで。

そういえば最近91歳で亡くなったプレイボーイ誌のヒュー・ヘフナーは、一度結婚したことがある以外は、複数主義(ポリアモリー)を貫いた人である。若い頃は、好きじゃなかった。でも、彼が亡くなったフェミニストのグロリア・スタイネムが彼について書いた記事のことなどを読んでいて、ヒュー・ヘフナーを嫌だと思う気持ちも、一夫一婦制が正しいという前提で見ていたからだなと気がついた。アメリカで複数主義が徐々に受け入れられるようになっているところを見ると、やっぱりいろんな意味でパイオニアだったのだなと思う。とはいえ、これまで前提になっていたことを覆すのは簡単なことじゃない。複数主義が成功するためには、女性が被害者意識を捨てることがまず第一歩なのかもしれない。まだまだこのあたりは考えがまとまらないのだけれど、現在進行系で考えていこう。

備忘録:フリーセックスの理想的シスターフッドでアメリカのモラル観を揺さぶったヒュー・ヘフナー、91歳で死亡

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Yumiko Sakuma