Day 91:先輩たちとの会話

キャラバンも今日はおやすみで「ピンヒールははかない」の表紙のイラストを描いてくれたサトウアサミさんとランチをしたあと、LOOPWHEELERの鈴木諭さんに会いにいった。みんなが大好きな吊り編み機で作るスエットを作っている人である。「誰からも相手にされなかった頃」から、ヨーロッパで注目されるようになり、「最近は、工場でも若い人たちが働いてくれるようになって」という話をしてくれた。

工場で働きたいという若者がいない、という問題。「ただ縫ったり、折ったりしてるだけで、誇りが持てるわけないよねえ」と鈴木さんはいう。だから工場の4代目の20歳の若者を預かって、一緒に働いた。彼はオフィスで働き、店に立って、どんな人たちがLOOPWHEELERの商品を買いに来てくれるかを体感した。そしてその後、自らの意思でロンドンに1年暮らし、今工場で、若者たちを取りまとめているのだという。いい話だ。

夜は、友達の鳥羽くんと愉快な仲間たちに会いに<GINZA MUSIC BAR>に出かけた。大沢伸一さんが「日記、読んでますよ」と声をかけてくれる。「古いものを好きだって書いてたけど、服にしても、文化にしても、50年代や60年代が頂点だったと思うんですよね」。そのあとはモノの作られ方が変わってしまった。だから今も残っている古いものに愛しさを感じるのだ。「音楽だって、『これくらいあればいい』っていう量を超えちゃってるんです。Youtubeひとつとっても、大量な情報があるけれど、何もわかっていなければ、自分の好きなものを見つけることはできない。僕らが育った頃とは全然違うんですよね」。本当にそのとおりだ。情報量は圧倒的に多いのに、欲しい情報が近いわけじゃない。だから、こんな時代に何を作っていいのか、何を発信していいのかを考えながら、球を打っていきたいですね、という話をした。

日記を始めて良かったなと思うのは、「あれ読んだよ」ということをきっかけに、その後の会話が広がることだ。そしていろんな人たちが、いろんな話をしてくれる。それが私にもヒントになる。それがやり続けている先輩だったりするとなおのことうれしい。ときどき、「毎日おんなじようなこと書いてんな」とか「意味あるのかな?」と思う。でも今回、帰国して、「やっててよかった」と心底思った。

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Yumiko Sakuma