Day 49:亡き友人を偲ぶ

大阪からやってきたピカ(あふりらんぽ)のニューヨーク滞在最後の日を一緒に過ごすことになっていた。ペルーから戻ってから2度会ったけれど、二人きりで時間を過ごすチャンスがあったらやりたいことがあった。共通の友人で、5月に亡くなったジェフ・シャガワットの弔いの儀式をしたかったのだ。

ジェフとは共通の友人を介して知り合った。ある夜、誰かの誕生日パーティでダンスフロアで踊りまくっているときに「<あふりらんぽ>知ってるか?」と聞かれたのがきっかけで、ピカという共通の友人がいることがわかった。それから急速に仲良くなった。いつも「元気か?」とテキストをくれた。ギャラリーショーに一緒に行くこともあったし、バーで待ち合わせをして飲んだくれることもあった。いつしかとても大切なかけがえのない友人になっていた。

ジェフは7年ほど前に脳腫瘍を患って、以来ずっとガンと闘っていた。その間、ずっと写真を撮り続けていた。ガンの闘病中に撮った写真群は、それまでジェフが撮った、どの写真よりも生々しく、パワフルだった。フィルムで撮った写真は、ブレもあったし、抽象的なものもあったけれど、治療の最中、手術後、ジェフの目から見えた世界を現していた。ジェフはその写真をもってギャラリーをまわっていた。けれどファインアートの世界は、ジェフが体験した、辛い現実を捉えた写真に芸術的価値を生み出さなかった。その体験を書いて、と<PERISCOPE>にエッセイを寄せてもらった。

ガンに打ち勝っては、またがん細胞が見つかる、治療する、を繰り返していた。そして今年の3月、妻のミズオからメールがきた。「アップデート」と題されたそのメールには、ガンが再発したことが書かれていた。「応援してるから!」と明るく書いたテキストメッセージには返事はなかったけれど、しばらくしたら「Let’s catch up soon! I feel better than ever!」という力強いテキストがきたので、「もうすぐ帰るからすぐに会いにいくよ!」と伝えて安心していた。その1ヶ月後、またメールがきた。できる治療の方法が尽きたこと、ジェフをホスピスケアに移すこと、そして自分も別れの準備をしていることが書いてあった。そして1週間後には、本当に悪い知らせが届いた。FUCK YOU, CANCER

いつもジェフが飲んでいたトライベッカの老舗のバーを、ピカと一緒に訪れた。遠くにいた友人の死の知らせを受け取って、現実感がないままお別れができない、という経験は自分にもあるし、ピカとジェフがどれだけお互いのことを大切な友人と思っていたかを知っていたから。店の掲示板にはジェフの写真がたくさんはってあった。二人でジェフの思い出話をして、二人で泣いた。ジェフはきっとその様子を見てくれているだろうなと思った。

備忘録:ジェフリー・シャガワットの「New Brain」

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Yumiko Sakuma
Day 48:敬語カルチャー
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旅から帰って来た翌日の日中はなるべく家にいるようにしている。机仕事がたまっていがちだし、するに社会復帰すると、前日までの世界とのギャップにくらくらするから。というわけで、皆既日食にざわつく世間をよそに、断捨離などをしつつ、少しゆっくりした。

一週間家をあけていたら、日本にいる間に受けた取材の掲載誌が2冊届いていた。一冊はこの取材の依頼をいただくまで知らなかった<PERK>という雑誌なのだが、なかなか素敵である。そしてもう一冊は、BRUTUSの自然写真特集。

会社員生活におさらばして、BRUTUSという雑誌で仕事をさせてもらうようになって14年になるが、今回、初めて取材される側になった。なんだか大人になったようなちょっとくすぐったい気持ちであった。

友人の山嵜廣和(やまちゃん)に本を渡すために会うところを、取材していただいたのであるが、ゲラを見たときに、ちょいと不安になった。なぜなら、やまちゃんは敬語で、自分はタメ語。まあ実際、現場でもそうだったんですが、こういうところに妙に気弱なので、その不安をやまちゃんに「わしがタメ語で、やまちゃんが丁寧語だと、すごく偉そうに見えない?」とメッセした。やまちゃんからは「帰国子女感」という言葉とともに、力強くいいねが送られてきた。むー、世の中でいうところの(未成年時代を海外で過ごし帰国したという)帰国子女ではないのだが、帰国中の人間という意味にとれば、キャラにあっているとも言えるのか、という気もしてくる。

そういえば少し前に読んだ酒井順子さんの「男尊女子」 の「言葉の女装」という章に、日本人が人の年齢を気にする、ということが書かれていて、その後にこんな文章があったのを思い出した。『日本には敬語というものがあるから、相手の年齢と自分の年齢を考えずにはいられないのです」。ふむふむ。なるほど、年齢を気にするカルチャーは、敬語文化からきているのか。

ガイジン扱いされがちな自分も、先輩は立てるというカルチャーで育っているので、先輩には敬語が自然である。でも後輩に敬語を使われるとちょいとムズムズする。そういう意味で、英語はラクである。だから敬語なんていらないのではないか、と思うときもある。使い方を間違ってしまうときもあれば、美しいと思うときもある。

友達のれいかちゃんは、誰に対してでも、基本タメ語で、それがとても素敵である。しかし、誰にでも自然にタメ語で話すのはけっこうハードルが高い。えらそうに聞こえないタメ語が話せる大人になりたい。

備忘録:職場で礼儀正しく主張を明確にするための日本語フレーズ5つ

Yumiko Sakuma
Day 47:白人特権

ペルーに行っている間に、大好きなミュージシャンのピカ(あふりらんぽ)がニューヨークにきていて、残念ながらショーはすべてミスってしまったのだが、ゆかさんの家で食事会が行われるというので、ペルーから戻って少し家で休んだあとに、いそいそと出かけた。見慣れたブルックリンの風景だけれど、なんだかいつもと違って見えると感じたのは気のせいか。

不思議なもので、留守にしていると、伝えていなくても、ニューヨークの友達の連絡は減る。戻った1日めから、「帰って来た?」といろんな人から連絡がくるのがおもしろい。そうやって連絡をくれた一人の友達とした会話のなかで、当たり前のように政治の話になった。

ボストンで行われた「表現の自由」と都合よく名付けられてはいるけれど、実は急進派のネオナチ50人ほどが集まったラリー(集会)に、それを拒否する4万人もの人が集まったことに勇気を得た、というと、「みんな、シャーロッツビルと白人至上主義の話に夢中になっていて、本当の問題から目を逸している。ゴールドマン・サックスが主導して、規制緩和を進めていることとか、医薬業界がやりたい放題やっていることとか。人種差別について怒ることは無駄だ」という意見。

きっとそれは本当だろう。みんながひとつのニュースに夢中になっている間に、オバマ政権時代に整備された規制がどんどん緩和されている。でも、彼は白人で、正直、「君がそう思うのは、白人だからだよ」と思った。シャーロッツビルで暴れるネオナチの映像をみて、ブルッと身を震わせたマイノリティは少なくないはずだ。だから社会が人種差別や白人至上主義に反対する姿勢を見せてくれることに勇気を得るし、それは無駄ではない。

White Privilage(白人特権)という言葉がある。アメリカ社会で、白人が享受していることはたくさんある。それをわかっていない白人もいる。だからネ白人至上主義者が「白人の権利!」と騒ぎ立てるのだろう。でもそれをわかっている人もいる。そしてそれを、マイノリティではなく、白人たちが声に出してくれることに意味があるのだと思う。

備忘録:スポーツ・イラストレイテッドの水着モデル、成功は「白人特権」によるものだと語る

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Yumiko Sakuma
Day 46:南米の新リーダー
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新しい兄弟ができたような気持ちになるほど仲良くなったチリ人たち、そして同じ時期に滞在していたアメリカ人のマヤとお別れして、アマゾンを後にした。ほんとにこの地を大好きになったから、帰り際にちょっと涙が出た。

プカルパの街を通って、空港を目指す。窓の外の風景がのんびりした農村から、トゥクトゥク(オートバイに座席のついたタクシーのようなもの)がいろんな方向からやってくる都会に変わっていく。プカルパの空港から国内線に乗り、首都リマの空港で時間をつぶした。思えばリマにきたのはちょうど10年ぶりくらいで、その間、今回の旅行の話が浮上するまでは、ペルーのことをほとんど考えなかったなと改めて思う。アメリカにいると中米とは心理的な距離も近いし、エアも安い。けれどやっぱり南米は近いようで遠いのだ。帰りは直行がとれなかったため、ヒューストン経由で帰ったのだが、ニューヨークの家につくまで、ほぼ24時間かかった計算になる。

この10年の間に、南米で起きた大きな変化といえば、南米のリーダー的存在だったはずのベネズエラがカオス状態になって、飢餓や暴動に苦しむようになったことだ。そして、ベネズエラに変わる存在として、ペルーがリーダーシップをとるようになったのだという。これからもうちょっと南米のことを知る努力をしよう、と改めて思いながら帰途についた。

備忘録:米国「ベネズエラの危機に際してペルーのリーダシップに感謝する」

Yumiko Sakuma
Day 45:人生は修行だ

今年の夏休みは、一時帰国とか、動き回る旅ではなくて、ひとつの場所でゆっくりデトックス(身体的にも精神的にも)しようと思ったのは、頭のなかを一度空っぽにして、また次のプロジェクトとかについて考える状態に自分を持って行きたかったから。

もちろん、頭のなかを空っぽにするといっても、言うは易く行うは難しで、ジャングルの中を歩き回ったりするうちに、ずっと蓋をして忘れたような状態になっていた辛い思い出やネガティブな感情が蘇ってきたりする。たとえば、ムラカミカイエと一緒に、身を削るように心身を捧げて作っていたPERISCOPEを、マガジンというものを作ることがどういうことか知らない人たちと組んでしまったことで、休刊せざるをえなくなったこととか。折り合いをつけて、前に進んでいるようなつもりでも、心のなかにずっとひっかかりを持っていたのだなと気がついた。

ここにいるうちに幸いにも知己を得た日本人のシャーマン、みつさんの家を訪ねることができたので、その話をしてみると、「そういう気持ちは、『自分だったらこうするのに』という被害者のような感情で、それもきっと自分のなかから出てくるものだ」と言われて、心から納得した。

自分自身も含めて、誰にもexpectations(期待)を持たない自分になりたい。そしてその境地を目指す修行は、きっと一生続くのだろう。でもひとつ大きな気づきがあった気がする。

そんなことを考えているときに、白人至上主義団体KKK(クー・クラックス・クラン)のメンバーに友情をオファーすることで、結果として彼らがKKKを脱退することを達成してきた黒人のミュージシャンの話を読んだ。すごいことだ。こういう人はどんな修行を積んでいるのだろうか。

備忘録:何十年もKKKのメンバーと交流してきた男性のおかげで、何百人ものメンバーがKKKを脱退

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Yumiko Sakuma
Day 44:僻地の共通言語
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ジャングルの夜は早く、6時半か7時頃には真っ暗になってしまう。共用の空間に、電気が通るのは、その後の数時間だけなので、その間にそれぞれ電話を充電したりしながら、みんなでのんびりする。10時前には消灯して、バンガローのベッドにもぐりこむ。そして鳥やカエルの大合唱を聞きながら眠りにつく。

この宿のスタッフとボランティアは現時点では全員チリ人で、英語があまり話せない。私のスパニッシュはまったくダメなのだが、日数が経ってくるとなんとなくコミュニケーションが円滑になってくる。チリには行ったことがないし、彼らももう長い間ジャングルに住んでいるわけで、共通の話題をどう見つけようと思いあぐねていたところ、向こうから「『ゲーム・オブ・スローンズ』は好きか?」と聞いてきた。「ゲーム・オブ・スローンズ」の威力は凄まじい。ある夜には、白い布をスクリーンに上映会になった。大興奮のみんなを見てほっこりしたりして。

ところで「ゲーム・オブ・スローンズ」のクリエーター二人組の新作「Confederate」は、南北戦争に南部が勝ち、奴隷制が現代にあったら、というストーリーになる、というニュースを読んだ。相変わらず、シャーロッツビルの事件余波はまだ続いていて、白人至上主義者たちの世の中に対する怒りの根源には、メインストリームでは「間違いだった」ということでコンセンサスがとれている奴隷制時代の歴史の扱いがある。というわけで、「白人至上主義者のファンタジーを劇化してどうする」という非難の声があがっている。けれど、南部の田舎を訪ねるたびに、「事実上の奴隷制は終わっていない」と感じている自分としては、それをあえて描くことの意味もきっとあるのではないだろうかと期待するのである。

備忘録:「ゲーム・オブ・スローンズ」のクリエーター、奴隷制についてのドラマを擁護

Yumiko Sakuma
Day 43:アマゾンの環境破壊

アマゾンの先住民シピボ族の学校に連れて行ってもらった。この日最後の授業の終わりのほうに、そっと入ったはずが、子供たちがひとりひとり駆け寄ってきて、キスをしてくれる。子どものキスのパワー、恐るべし。言いようのない多幸感に包まれた。そしてみんなで歌を披露してくれた。この学校は、地元の長老がやっている学校で、このへんでも特に貧しい子どもたちを寮で面倒見ている。子どもたちは朝、普通の公立の学校に行き、午後はここで部族の伝統を学ぶのだそうだ。

10年くらい前に、中南米をよく訪れていたときに一度は「かなりわかるようになった」と思ったスパニッシュだけど、すっかりもう忘れてしまい、情けない限りである。子どもたちと簡単な会話ができるくらいにはわかるようになりたい。

シピボ族は、ペルー北部、ブラジル、エクアドルなどに広がるアマゾンに住む先住民である。こうやってわっさわっさと緑が茂るジャングルのなかにいて、電気を使わない人たちの暮らしを見ると、自然が手付かずに残っているような錯覚を起こしてしまいがちだけどそうではない。シピボ族のリーダーたちが、鉱業や石油企業による環境破壊によって熱帯雨林の面積が減っていることに警鐘を鳴らしていることがわかった。冷蔵庫すら持たないような暮らしをしているのに、国内外の大企業によって自分たちの森がどんどん破壊されているのだ。

言うまでもなく、私も都会に住んでいる時点で、有罪である。けれど学べることは学んで帰りたい。とりあえず電気をケチケチ使うようになったし、お湯がないので寒ければ体を動かして体温をあげることを学んだ。

備忘録:洪水と温暖化、ペルー先住民の知恵を活性化

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Yumiko Sakuma
Day42:レジスト加速
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こんな僻地にいて、ネットはつながったりつながらなかったりでも、ニュースの速報はスマホのスクリーンに現われる。シャーロッツビルの事件を受けて、トランプ大統領が白人至上主義をはっきり非難することを拒否しているだけでなく、「どちらの側も悪い」などと言っていることに、左派はもちろん、右派からも非難轟々で、しかも司法省がアンチ・トランプの抗議運動を推進するサイトのビジターについての情報の開示を求めていたなんていうとんでもニュースまで飛び込んできた。しかしサーバー会社はそれに屈指ないことを表明しているし、左派のリーダーたちは「どんどんアクセスしろ」と呼びかけている。こういうところがアメリカのいいところだ。

不思議なものでデトックスにせいをだしていると、こんなニュースにも呆れはするが、怒りでひっくり返りそうな気持ちにはならない。抵抗運動に参加し続けようとふつふつ静かな闘争心が湧くだけだ。ありがとう、デトックス。

備忘録:我が社はユーザーたちのために戦う

Yumiko Sakuma
Day 41:アマゾンから

ほぼ1日かけてリマまで行き、国内線を乗り継いで、早朝アマゾンの目的地に到着した。ジャングルのなかにバンガローが点在するエコツーリズムの宿だ。スタッフは全員ボランティア、日に3度手作りの素朴だけれどびっくりするほどおいしい食事が出る。犬とにわとりたちが敷地を自由に走り回っていて、誰もがのんびり体を動かしている。お湯はないし、部屋には電気もないし、電気を使えるのは日が暮れてから何時間か、発電機を動かす時間だけ。電波もつながったり、つながらなかったり。けれど目をこらすと、今まで見たこともない木々、鳥、昆虫類がうようよしていて、昼寝をしていると鳥の声に起こされる。

10年くらい前、エコツーリズムという言葉を知り、行ってみようとトライしたけれど、なんだか覚えていない理由で実現しなかった。きっとそのときは、自分のタイミングじゃなかったんだろう。あのとき来ても、きっとこういう時間の過ごし方はできなかったと思う。

備忘録:ペルーの先住民コミュニティ、森林保全に従事

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Yumiko Sakuma
Day 40:さよならアンチエイジング
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今年の夏、休みをとろうかまだ考えが至らなかった前回の帰国中、友達ジャイアンとペルーの話で盛り上がり、勢いでペルーに行くことになった。東京からきたジャイアンと落ち合って、ニューアークを目指した。ペルーまでは直行が少ないので、2008年にオーバーブックの結果、カナダから12時間運転して帰ることになった恨みから、10年近くボイコットしてきたユナイテッドだったのだが、例の事件のせいか、スタッフは妙にやさしく、不快な思いもなかった。

空港で水などを買うための列に並びつつ、雑誌の見出しに目を走らせていて、いつもはあまり気にもとめない美容雑誌<Allure>の表紙が目に入ってきた。「the end of anti-AGING, our call to the industry」(アンチ・エイジングの終わり。業界へ私たちからの呼びかけ)と書いてあるではないですか。中を読むと、年を取ることに「アンチ」であることをやめよう、と書いてある。年をとること=ネガティブなこと、という前提におさらばしようってことですね。コンデナスト社の美容雑誌がこれを書くとは、画期的なことではないですか! ちなみに日本語ではエイジングは「老化」と訳される。この言葉もやめようって言いたいくらいだ。

アンチ・エイジングというビジネスは、もはやエステ業界の10倍くらいの規模になっているらしい。ものすごい額のお金が動いている。個人的にはまったく信じていないのだが、それでもついうっかりときどき信じてしまいそうになるからおそろしい。

備忘録:アンチエイジングと審美業界について驚くべき事実

Yumiko Sakuma
Day 39:レイシスト退治

月曜日からの休暇に備えて週末はゆっくり仕事、と呑気にしていたら、一緒に行く友人からの電話で日にちを間違えたことが判明し、慌てて仕事を片付ける羽目に。その間もずっと片目でシャーロッツビルの白人至上主義集会の様子を見ていた。結局この集会は、衝突と死亡者一人と戒厳令、という最悪の結果で終わった。20歳のアホタレが、反レイシズムのデモにきた群衆に車で突っ込んだから。悲劇が起きたけど、これで世論が反レイシストに傾くのかもという気がしてきた。

ところでメディアには白人至上主義者たちの写真が がっつり写ってる。この人たち、仕事とか大丈夫なのか? と思っていたら、見つけましたよ、レイシストの名前を判明させるツイッターアカウント @yesyoureracist を。「このアカウント気に入ったらビールおごって」と募金できるようになっているいいね、こういう戦い方。アカウントはけっこう古い。今まで気がつかなかったのが悔しいくらい。そしてここでまた話題を集めてる。

備忘録:このツイッター・アカウントが シャーロッツビルの暴力の背後の男たちを晒している

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Yumiko Sakuma
Day 38:白人のテロリストたち
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夕方山を降りて、たおちゃん、きみちゃんとご飯を食べに出かけ、帰り道にじゃいこちゃんの家を襲撃して、久しぶりにちょっとだけゆっくり話をして、幸せな気持ちで夜半すぎに帰宅した。

ベッドにもぐりこんでツイッターでニュースをチェックする。タイムラインが、白人至上主義者がたいまつを持って行進する映像でいっぱいになっている。そうだ、明日は、バージニア州シャーロッツビルで、南北戦争時代の南部連合のヒーロー、ロバート・E・リー将軍の銅像を除去することに対する抗議集会が予定されているのだった、と思い出した。先日行われたKKKの集会より、ずっと規模が大きいように見える。そしてビデオを見る限り、参加者の大多数は白人男性で、「One nation, one peple」という詠唱している。2010年の国勢調査時点での白人人口は63.7%である。この人たちは、残りの36.3%の人口を望ましくないと思っているのだ。見なきゃよかった、ととっさに思う。でもこういう現実から目をそらしてはいけないのだ、と思い直した。

最近、白人至上主義者をテロリストと呼ぼう、という動きが出てきている。この何年かの間で、白人至上主義者がマイノリティを攻撃するという事件は増えているから。

備忘録:アメリカのテロリストの大半は白人で、イスラム教徒ではない。

Yumiko Sakuma
Day 37:森のなかで

久しぶりに山のおうちに出かけた。姉のような存在であり、大家さんでもある「おねえちゃん」(「ピンヒールをはかない」にも登場する)に会いたかったし、本を渡したかったから。おねえちゃんが近所の人と共同で管理する野菜園で野菜をとって、キノアとあえて夕食にした。

おねえちゃん、そしてパートナーのハルと、ダニの話題になった。今年の東海岸は、ダニの被害が深刻で、ライム病をはじめ、ダニを媒介とするウィルスによって死亡者が出たりしていると聞いたから。ハルが言う。「ダニは靴下や裾から人体について、皮膚をのぼって刺すまでに何時間もかかる。外に出たあと、体をチェックすればいい。こんな環境で山歩きをしないわけにもいかないだろ」と。そういえば、「ダニが恐いから自然に出たくない」って言ってた日本人男子がいたなあ。

自然は美しくて優しいばかりじゃない。恐い顔を見せることもある。それは山に出かけるようになってからの何年もの間、何度も体感したことだ。だからといって、自然に近づかないなんてナンセンスだ。自分が都会に暮らしながら自然のなかで過ごす時間を大切にしているのは、そういうこと全部ひっくるめて、自分の存在の小ささを確認するためだと思う。とりあえず、ダニには気をつけよう。

備忘録:今年の秋はダニが問題になりそうな見込み

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Yumiko Sakuma
Day 36:NYの不動産

亡くなった元だんなの誕生日だった。淡々と楽しい撮影仕事をし、打ち上げがわりに軽く乾杯して、ダウンタウン・ブルックリンに住む義理の妹ミリアムの家に向かった。そして1年3ヶ月前に、彼のお別れ会をした屋上で、彼女が作ってくれた野菜のパスタを食べた。

兄貴を亡くし、そのあと母を亡くした彼女だけれど、人生は待っちゃくれない。引っ越しをしなければいけなくなったのだ。久しぶりに家探しをして、「私がきたときのニューヨークと、ずいぶん違う」と感じたという。トレーナーをしている彼女にとって、自分の住むビルにジムがあるということがとても重要なのだが、それを条件にすると、新築の高層ビルになってしまい、家賃が信じられないくらい高い、とぼやいている。「ジム付」という触れ込みの新築ビルに内見にいったら、ジムは向こう1年はオープンしない見込みなのに、ステューディオ(ワンルーム)で2500ドルだった、という。

今、ニューヨーク(特にブルックリン)は、新築ラッシュで、いたるところで新規の建設が行われている。こんなに建てて供給過剰にならないのだろうか、と思って調べたら、現状、エントリー・・レベルの家賃は全体的に上がっている一方で、2008年の終わりまでに新規アパート4万軒が賃貸市場に追加されるらしく、家賃が下がる可能性が出てきているらしい。

備忘録:2018年の新規賃貸物件襲来で、NYCの空室率上昇の見込み

Yumiko Sakuma
Day 35:Plant-Based(植物性)

久しぶりに、みほちゃんと二人きりで夕食に出かけることになあっていたので、通りかかって気になっていたレストラン<Double Zero>をトライしてみることにした。「Plant-based」(植物性)と看板に書いてあったので、調べてみるとピザ屋だったのだ。動物性の食材をまったく使わないピザ屋さん。チーズのかわりに、カシューやアーモンドを使って作ったチーズっぽいものを使っているのだが、すべてとてもおいしかった。

ちなみにこの「Plant-based」(植物性)という言葉、最近よく耳にする。私が肉をおやすみしようと決めたきっかけになった映画「What the health?」にも頻出していた。動物性のものをまったく食べない食べ方を言うらしいのだが、ヴェジタリアンやヴィーガンとは区別されているみたい。植物性のものは、ヴィーガンには適用できるけれど、ヴィーガンが必ずしも植物性とは限らないということのようだ。詳しくはここに説明されている。

そして最近、ホールフーズなどでよく見かけるアーモンド・ミルクとか、ベジニーズ(マヨネーズのような味のもの)は、植物性食セクターとして現在恐ろしい勢いで成長中なのである。植物性だけでこれだけおいしいものが食べられるのなら不満なし。

備忘録:食料品戦争 植物性食セクターの登場

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Yumiko Sakuma